コラム

【情報漏洩しくじり談】3日間作業したデータを紛失してしまった

【情報漏洩しくじり談】3日間作業したデータを紛失してしまった

今回は神奈川県在住のMさんより、「データ紛失」のお話を伺うことができましたのでご紹介いたします。

情報漏えいも怖いですが、会社の大切なデータを操作ミスで消してしまった!なんて話を聞くとゾッとしますよね。。。

さて・・・Mさんはどんな体験をしたのでしょうか。それではどうぞ。

3日間作業したデータを紛失してしまった

私はイベント会社で働いていた時に、新規のイベント立ち上げのメンバーに選ばれました。8人でチームを組んでゼロから企画を立ち上げ、参加してもらえる企業もイチから探すプロジェクトです。私と他3人で顧客リストや提携してもらえそうな企業をデータベース化し、全ての企業にアポイントメントをとるという作業をしていました。

今までも新規イベントを立ち上げる時に、何度かやったことがありましたが、今回は倍以上の規模のイベントです。全員が気合を入れて頑張っていました。リスト作りに丸々3日間掛かってようやくデータベース化できたので、いよいよ明日からアポを取りに行くというところまで来ました。私は3日間はほとんど寝ないで作業をしていたので、ようやく終わってホッとしていました。

3日間の作業が終わり、これから新規イベントのスタートラインに立った時です。データベースを数人で分けて、アポを取りに行く段階になりました。そしてコピーをしようと思った時に、データが入っているUSBメモリを誰も管理していないことに気付きたのです。4人で作業をしてから私がUSBメモリに保存した後、そのUSBメモリを4人とも持っていなかったのです。

保存してUSBメモリが差しっぱなしになっていることはたまにあります。すぐに全部のパソコンをチェックしましたが、どこにもありませんでした。私と4人は頭が真っ白になり、とにかく昨日の記憶をだどるように思い出してみました。最後にUSBメモリを差し込んだのが私で、その後保存をした後のことはまったく記憶がありませんでした。データには企業のリストが入っているので、社外秘で持ち出し厳禁です。全員が重要性を認識していましたが、疲労から集中力が鈍っていたようです。1時間以上探し回っていましたが、結局見つかりませんでした。

データ流出と同時に仕事が滞ってしまうという焦りから、4人ともどうしていいか分からず何もすることができませんでした。いくら探してもないので上司に報告すると、案の定こっぴどく怒られました。怒られるのは当然ですが、それよりも情報が悪用されてしまったら、会社に大きな損害が出てしまうということしか頭にありませんでした。

我々4人と他のプロジェクトの人全員で、1つのUSBメモリを探し回りました。ゴミ箱の中から全員の引き出しまでチェックし、その日の仕事は全員がほとんどできない状況でした。私たちは情報漏えいしてしまうかもしれないという不安でいっぱいです。さらに社内全員でUSBメモリを探すことになったので、相当大変なことをしてしまったという自責の念がより強くなりました。

いくら探しても見つからないので、社長からは後日しかるべき処分をすると言われました。とりあえず全員仕事があるので、私たちも現在取り掛かっている案件を続けることになりました。それからデータは上司と一緒に確認し、保管も上司が行って再発防止に努めるようになったのです。

私は途方に暮れていましたがどうすればいいか分かりません。新規イベントを立ち上げなければいけないのに、気持がついていかないので、そこでも足を引っ張ってしまいました。

それから1週間ほど経って新規プロジェクトが進み、ようやく立ち上げられる状態にりました。その頃になってもデータの流出が気になっていますし、会社からの処分もどうなるか不安で仕事どころではない状態でした。毎日仕事はするものの、もし情報が悪用されたらどうしようという思いしかありませんでした。

するとある提携している企業の担当者から、私に連絡がありました。内容は企業データの入ったUSBメモリが、郵便物の袋の中に入っていたというのです。新規のイベントを立ち上げるにあたって、今まで付き合いのある企業には、先に案内をするために資料を送っていたのです。その袋の中にUSBメモリが入っていました。

相手方は何かの資料だと思い、時間が空いたので見てみたら企業データだったので、すぐに連絡をしてもらえました。私と上司で早速相手企業へデータを取りに行き、事の成り行きなどを説明して謝罪しました。相手方も一目で社外秘のデータだと分かったので、中身は見ていないと言っていました。

たまたま付き合いの長い提携会社だったので、データもすぐに返してもらえましたが、一歩間違えれば大事になっていました。それにしても郵便物に紛れ込んでいた理由が分かりませんが、何より私たちの不注意によるものです。

その後会社からは大きなトラブルが無かったので、大目に見てもらいましたが、早出をして社内の掃除をするバツが与えられました。私たちにすれば軽い処分になってホッとしています。

その後からはデータの管理体制の見直しがされ、より厳しく管理するようになりました。USBメモリには企業データから顧客データまで入っていましたし、数日間をかけて作ったデータを一瞬で紛失してしまう危険性も体感できました。情報が大切な物だと改めて感じることができました。

管理人からの一言 – Google Workspaceならこうやって解決できる

このケースでも、顧客リストはExcel + USBメモリでなく、Googleスプレッドシートに保存することで解決できたでしょう。

Googleドキュメントに保存しておけば、今回のように物理的にファイルを紛失することはまずありません。

また、複数人で作業されていたという事ですので、データが一元化され強力な共同作業が使えるGoogleスプレッドシートなら、もっと効率的に作業ができたと思います。

USBメモリは持ち運びに便利な半面、「なくしやすい」という側面を持っています。無くしたり誰かに見られると困るようなデータは、USBメモリに保存しないようにしたいですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。