ちょうどお問い合わせを頂いたので、今回は「Google Workspaceを契約すればレンタルサーバーが不要か?」という疑問について解説したいと思います。
なお、当サイトでは、Google Workspace導入前のちょっとした質問や疑問を受け付けています。ご利用は無料ですので、こちらからお気軽にご利用ください。
Google Workspaceには、メールサーバー機能が備わっている
まず、Google Workspaceにはメールサーバーの機能が備わっていますので、メールサーバーとして新たにレンタルサーバーを契約する必要はありません。
独自ドメインメールはもちろん、メール転送やスパムメールフィルタ、メーリングリスト(Googleグループ)など、メールサーバーに必要な機能は揃っています。
Google Workspaceには「Gmail」と呼ばれる検索とスパムメールのフィルタリングに優れたWebメーラーが提供されており、これを使うのが一般的です。一方、レンタルサーバーはPCやスマホ上のメールクライアントから利用する想定なのか、提供されているWebメーラーは簡易的なものが多いです。
また、両者で料金の計算方法が大きく異なることにご注意ください。通常のレンタルサーバーは、サーバー台数や契約プラン単位で料金が決まっており、メールアドレスを増やしても料金が変わらない事がほとんどですが、Google Workspaceはアカウント単位で金額が変わります。つまり、ユーザーのメールアドレスが増える場合、そのぶん料金も増えます。
Google Workspaceの料金の仕組みについてはこちらの記事で解説しています。また無料でメールアドレスを増やせるケースもありますので、合わせてご確認ください。
公開したいサイトの内容で必要になるケースも
さて、企業のホームページやブログ、お問い合わせフォームなどの「Webサイト」を公開したい場合はどうでしょうか。
この場合、そのサイトに求める要件(機能やデザイン)によってレンタルサーバーが必要になってきます。
これらをGoogle Workspaceおよび関連のGoogleサービスで賄おうとする場合、ブログサービスの「Blogger」や「Googleサイト」、「Googleフォーム」を利用する事になりますが、いずれも用意されている機能とテンプレートデザインの範囲内でしか利用することができません。
一方、レンタルサーバーが必要になってくるケースは、例えば以下のような場合です。
- より高機能なWordpressを使いたい
- デザイナがデザインしたオリジナルのWebサイトを公開したい
- phpなどで独自のWebアプリケーションを公開したい
- ECサイトを開設したい
Google Workspaceには、汎用のWebサーバー機能は備わっていないため、こういった利用には、レンタルサーバーやVPS、もしくはそれに特化したWebサービスを利用する事になります。
Webサイト関連の機能を、Googleサービスとレンタルサーバーで比較してみました。
機能 | Googleサービス | レンタルサーバー |
---|---|---|
ブログ機能 | ○(Blogger利用) | ○ |
独自ドメイン | ○ | ○ |
無料のSSL | ○ | ○ |
転送量ごとの課金 | ○ | ○ |
アクセス解析 | ○ | ○ |
SSH | ✕ | ○ |
FTP | ✕ | ○ |
WordPressの利用 | ✕ | ○ |
オリジナルデザイン | △(Bloggerはカスタマイズ可能) | ○ |
独自のWebアプリケーションの公開 | ✕ | ○ |
EC機能 | ✕ | ○(別プランで提供されることが多い) |
アクセス負荷対策 | ○ | ✕ |
Webの専門知識 | 不要 | ある程度必要 |
まとめ – まずは無料でGoogleサービスを試してみよう
こうしてみると、Googleサービスにできないことが多いように感じますが、要件さえ合えばHTMLの知識なくWebサイトを公開することができるのでサイト運用も楽になりますし、大量アクセスが来てもサイトが落ちない、というGoogleパワーの恩恵を受けることもできます。
レンタルサーバーは汎用性に優れますが、Google Workspaceに比べてWebの専門知識が必要になってきますし、そのサーバーを超えるアクセスに耐えることはできません。
BloggerやGoogleサイトは無料のGoogleアカウントで利用できますので、まずはそちらから一度試してみることをおすすめします。