コラム

Web担当者のための「CSVファイル」取り扱い講座 その2(データ編集編)

こんにちは。

前回に引き続き、「CSVファイル」の取り扱いについて解説してきたいと思います。今回はCSVデータの編集編です。

CSVデータを編集してシステムに一括アップロードする場合、注意しておかないと誤ってデータを壊してしまう可能性があります。一括でデータを更新できる反面、被害も大きくなるのでしっかりと理解しておきましょう。

前回の記事はこちら。

Web担当者のための「CSVファイル」取り扱い講座 その1(データ参照編) こんにちは。 今回は、様々なシステム管理ツールなどで、なにかと登場する「CSVファイル」について、解説していきたいと思います。 ...

CSVエディタをインストールしよう

データ参照編では、システムからダウンロードしたデータを、GoogleスプレッドシートやExcelで開く方法をお伝えしました。

そのまま、スプレッドシートやExcelでCSVデータを修正して保存することもできますが、特定の文字コードや改行コードが指定できなかったりと、これらのソフトをCSVデータ編集に使用するのはおすすめしません。

ここは、専用のCSVエディタを使用しましょう。

私がよく使用しているのは、Cassava Editor という国産のフリーソフトです。リンク先からダウンロードできます。※このソフトはWindowsのみです。Macについては、また別の機会にご紹介したいと思います。

Google Workspaceのユーザーを一括登録してみよう

それでは実際に、CSVファイルを使ったGoogle Workspaceのユーザー一括登録を例に解説してきます。

CSVファイルのダウンロード

まずは、Google Workspaceのユーザー管理画面を表示し、「ユーザーの一括更新」を選択します。

以下の画面が表示されるので、「ユーザー情報をCSVファイル形式でダウンロード」を選択します。

空のCSVテンプレートをダウンロードすることもできます。この様に、CSVファイルをアップロードできるシステムは、CSVファイルのテンプレート(雛形)をダウンロードできることが多いです。

CSVファイルのルールを調べる

早速ダウンロードしたCSVファイルを開いてみましょう。ここでは Cassava Editor では開かず、CSVファイルのルールを調べるため「メモ帳」で開きましょう。

上記のように、このGoogle Workspaceのユーザー一括登録用のCSVファイルは、以下のルールであることがわかりました。この情報はどこかに控えておくと良いでしょう。

ルール内容
区切り文字半角カンマ
括り文字なし
文字コードUTF-8
改行コードCRLF
1行目タイトル行

Cassava Editor でCSVファイルを開いて設定する

次にメモ帳を閉じ、同じファイルを Cassava Editor で開きます。Cassava Editorを起動して、対象のCSVファイルをドラッグ&ドロップすれば開くことができます。

なお、Cassava Editor であれば、Excelで直接開いた時ような、電話番号の頭のゼロが消えてしまうことはありません。

CSVファイルを開いたら、Cassava Editor の設定を行いましょう。まずは保存される文字コードと改行コードを設定します。

ファイルメニューから、「保存時文字コード」を選択し「UTF-8」と「CRLF」になっていることを確認します。通常はCassava Editorが自動判別してくれます。

続いて、区切り文字と括り文字の設定を行います。

オプション → オプション… からオプション画面を開き、下の画面のように、データ形式のリストの「CSV(アクティブ)」を選択、標準区切り文字は半角カンマ「,」、クォートを「すべてのセルを””で囲まない」を選択し、先程メモ帳で調べたCSVファイルのルールと合わせます。

設定したらOKボタンを押します。その他の項目はデフォルトのままで良いでしょう。

以上でGoogle Workspace向けのCSVルールの設定が終わりました。

CSVデータを編集する

それでは今回は Google Workspaceのユーザを1名追加するシナリオでやってみましょう。

2行目の既存ユーザーは今回更新しないので、ここで1行削除しても良いのですが、新規ユーザーのサンプルデータとしたいので、いったん残したまま3行目にユーザーを追加します。

[Required]となっている列は必須ですので、2行目のデータを参考に入力します。こんな感じで「鈴木 一郎」というユーザー行を追加しました。

追加したら、既存のユーザーは更新しないので2行目を削除しましょう。2行目を選択、右クリックして「行削除」を選択します。

このように、予期しないトラブルを避けるため、CSVファイルを使った一括更新では、更新しない行は省いておく事をおすすめします。(※そのシステムが全件一括登録しか受け付けない場合は除きます)

1行削除できたら、ファイルを保存して Cassava Editor を終了しましょう。

このままCSVファイルをアップロードしても良いのですが、念のためもう一度メモ帳で開いてCSVデータが間違っていないか確認しましょう。

問題なさそうですね。

ユーザーの一括登録

いよいよ一括登録していきましょう。誤ってメモ帳を修正してしまわないよう、ここでメモ帳は閉じておいてください

Google Workspaceの管理画面に戻り、ユーザーの一括更新画面から「CSVファイルを添付」を選択して、該当のCSVファイルを選択します。ボタンの上にファイル名が表示されるので間違いないことを確認します。

問題なければ、アップロードボタンを押します。

アップロードは、バックグラウンドで実行されるのでしばらくお待ちください。

右上のタスクで完了のメッセージが表示され、無事にユーザーが追加されました!念のため、他のユーザーに影響がなかったかも確認しておきましょう。

以上でCSVファイルを使ったGoogle Workspaceのユーザー一括登録は完了です。

まとめ – CSVファイルを使った一括登録は慎重に

CSVファイルを使った一括登録は、大量のデータを一括で操作できる反面、誤った場合は多くのデータに影響を与えるため、特に慎重に行う必要があります。

今回ご紹介した方法のように、更新しないデータの除外や、CSVファイル内容の再確認、操作するファイル違いの確認など、何度もチェックして作業することをおすすめします。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。