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Google Voiceが進化:より詳細な通話パフォーマンスデータをログで確認可能に

Google Voiceでより詳細な通話品質が監査ログで確認可能になりました!

Google Voice とは、Googleが提供するアメリカおよびカナダ国内の電話へ無料で通話ができ電話サービスです。現在のところ日本ではサービスされていませんが、どのような更新があったのか、一緒に見ていきましょう。

更新内容

Google Voiceの監査ログは、これまで日付、通話元、通話先などの情報を収集していましたが、今回のアップデートで、それに加えて具体的な通話パフォーマンス情報が含まれるようになりました。具体的には以下の情報が新たに追加されるとの事です。

Round Trip Time(往復遅延時間)

これは、ネットワーク上でデータが送信元から目的地へ、そして再び送信元へと戻ってくるまでの時間を指します。この時間が長いと、通話の遅延が発生する可能性があります。

Packet Loss per 1000(1000パケットあたりの損失)

これは、送信されたパケット(データの単位)のうち、どれだけが正常に届かなかったかを示します。パケットロスが多いと、通話の品質が低下する可能性があります。

Jitter(パケットの到着間隔のバラツキ)

これは、ネットワーク上でパケットがどれだけ一定の間隔で到着するかを表します。Jitterが大きいと、音声が途切れるなどの問題が発生する可能性があります。

これらの情報を利用することで、組織内のネットワーク状況をより詳細に把握し、通話品質に影響を及ぼす可能性のある問題を特定し、トラブルシューティングを行うことが可能になります。

利用シーン

新しいGoogle Voiceの通話パフォーマンスデータは、様々なシチュエーションで役立つでしょう。以下に具体的なシーンをいくつか紹介します。

ネットワーク品質の確認

IT部門が組織全体の通信品質を管理している場合、この新機能は特に有用です。特定の時間帯やネットワーク上で通話品質が低下する傾向があるかどうかを確認することができます。

トラブルシューティング

通話品質に問題が発生した際、新機能のデータを使用して問題の特定と解決を進めることができます。例えば、Packet Lossが多い場合、ネットワークの帯域幅が不足している可能性があります。また、Jitterが高い場合は、ネットワークの遅延が問題である可能性があります。

組織の通話品質改善

Google Voiceの新機能は、組織の通話品質全体を向上させるための戦略的な計画を立てる際の重要なツールとなります。例えば、通話パフォーマンスデータを定期的に確認し、必要なハードウェアのアップグレードやネットワークの改善計画を策定することが可能です。

これらの利用シーンを通じて、新たに追加された通話パフォーマンスデータが、組織の通信品質と効率性の向上にどのように寄与できるかをご理解いただけたと思います。

リリース日・対象ユーザー

本機能は下記のスケジュールで最大15日間かけて展開されます。

Rapid Releaseドメイン2023年5月30日から展開
Scheduled Releaseドメイン(通常はこちら)2023年5月30日から展開

対象となるユーザーは、Google Workspaceの以下の上位エディションのユーザーとなります。無料のGoogleアカウントも利用できません。

Enterprise Plus
Education Standard
Education Plus
Cloud Identity Premium (一部データソース限定)
Enterprise Standard (一部データソース限定)

まとめ

今回追加された機能により、組織内での通話品質に影響を及ぼす可能性のあるネットワーク問題を特定し、トラブルシューティングを行うことが容易になります。

現在のところ、Google Voice自体は日本では提供されていないサービスとなっております。そのため、日本国内のユーザーにとっては直接的な影響はないかもしれません。しかしながら、Googleの新たなアップデートとして、また、グローバルに活動する組織にとっては注目すべき進化といえるでしょう。

これからもGoogleの新しい機能やサービスについて最新情報を提供していきますので、ぜひチェックしていただきたいと思います。

ソース記事:More call performance data in the Google Voice audit logs

最後までお読みいただき、ありがとうございました。