Google Workspaceは、ビジネスにおけるコミュニケーションと作業効率を向上させるための多機能ツールですが、その強力な機能がさらにパワーアップします。
今回、Google WorkspaceではGmailデータの管理と分析をさらに簡単で一貫性のあるものにするための新機能を導入しました。それがBigQueryとの強化連携です。
BigQueryとGmailが一体となることで、どのような便利な世界が広がるのでしょうか。一緒に見ていきましょう。
BigQueryとは、Google Cloud Platformの一部であるフルマネージド型の大規模データ分析サービス。大量のデータに対して高速に分析結果を返すことが可能で、大規模なデータをリアルタイムに分析することができます。
更新内容
Google Workspaceは2022年8月に、既存のGmailログをBigQueryからGoogle Workspaceのログとレポートに移動させることを発表しました。これにより、Google Workspaceの監査イベント全体を一つの場所でアクセス可能にしました。
そして、今回の新機能では、Security Investigation Tool(セキュリティ調査ツール)からの全てのGmailログイベントがGoogle WorkspaceのログとレポートのBigQueryに表示されるようになります。
具体的には、デバイスタイプや配信後のアクション(例えばメールの開封、削除、リンクのクリック、添付ファイルのダウンロードなど)が含まれます。これにより、管理者は自分のドメインで行われているGmailの活動をより完全に把握することができ、レポートツール間での一貫性が向上します。
新機能によって追加されるデータ項目には、イベントタイプ、クライアントやデバイスのタイプ、アカウント所有者に代わって行動したユーザーのメールアドレス、添付ファイル名、配信後のイベント情報などが含まれます。
これらの変更により、Google Workspaceのユーザーは一貫性のある監査とレポーティングを行うことができるようになり、さらに大きなビジネス上の洞察を得ることが可能となります。
Security Investigation Tool(セキュリティ調査ツール)はGoogle Workspaceの一部で、企業のIT管理者が企業のデータとユーザーの安全性を保護するのに役立つツール。企業のデータを検索、調査し、必要に応じて対応することができます。
例えば、管理者は不審なログイン試行やメールに含まれる潜在的なマルウェアを検出するために使用することができます。また、ユーザーが誤って機密情報をメールで送信した場合や、ユーザーアカウントがハッキングされたと思われる場合にも利用できます。
利用シーン
新たに追加されたGmailのログデータは、さまざまなビジネスシーンで役立つ情報を提供します。以下に具体的な例をいくつか挙げてみましょう。
まず、例えばある企業でメールの開封率が急に下がったとします。これは、社内のコミュニケーションに問題があるかもしれないし、技術的な問題が原因かもしれません。こうした場合、新機能を利用すれば、特定の時間帯やユーザーグループに問題が集中しているのか、または全社的な問題なのかを調査することができます。
また、セキュリティに関しても有用なシナリオがあります。例えば、誰かが機密情報を含むメールを誤って外部に送信したとしましょう。この場合、管理者はSITと連携したBigQueryを利用して、そのメールが開かれたか、リンクがクリックされたか、添付ファイルがダウンロードされたかなどの情報を素早く調査することが可能です。さらに、そのメールが転送されたかどうかも確認できます。これにより、機密情報の漏洩の影響を迅速に評価し、適切な対応をとることができます。
これらの具体的な例からもわかるように、新機能は企業のコミュニケーション効率の向上やセキュリティ問題の早期発見に役立つ強力なツールと言えるでしょう。
リリース日・対象ユーザー
本気のはすでにリリースされているとの事です。
対象となるユーザーは、Google Workspaceの以下の上位エディションのユーザーとなります。無料のGoogleアカウントも利用できません。
- Google Workspace Enterprise Essentials
- Google Workspace Enterprise Standard
- Google Workspace Enterprise Plus
- Google Workspace Education Plus
- Google Workspace Education Standard
まとめ
Gmailのログデータがより詳細にBigQueryに統合されたことで、管理者は一元的にデータを管理し、さまざまな視点から分析できるようになりました。これにより、ユーザーのメール利用パターンの把握やセキュリティイベントの早期発見が可能となります。
企業の運用効率向上やセキュリティ強化に寄与するこの機能をぜひ活用してみてください。
ソース記事:Improving consistency of Gmail data across the Security Investigation Tool and BigQuery