「ビジネスするなら独自ドメインを取得しよう」でもお伝えしましたが、企業はもちろんフリーランスや個人事業主の方でも、独自ドメインのメールを利用するメリットはとても大きいです。
今回は「独自ドメインのメールアドレスを取得したいけど、どういう方法があるの?」という方のために、その方法とそれぞれのメリット・デメリットについてお伝えしたいと思います。
今回は独自ドメインの取得方法については触れていません。独自ドメインの取得方法については、「【Google Workspace導入方法 その2】独自ドメインを取得しよう」をご覧ください。
独自ドメインのメールを利用する方法は2つ
大きく分けると、以下の2とおりに分類されると思います。
- レンタルサーバーを借りる
- クラウドサービスを利用する
レンタルサーバーは、Xサーバーやコアサーバー、ロリポップなどのレンタルサーバー業者からサーバーを1台借りて運用する方法です。
一方、クラウドサービスとは、Google WorkspaceやマイクロソフトのOffice365といった、グループウェアのメール機能を利用する方法です。
クラウドサービスもレンタルサーバーのようなものですが、前者と後者ではサービスの趣旨や料金体系が異なるのでわけています。
さっそく、それぞれのメリット・デメリットを挙げてみます。いずれもメール機能に絞った比較となります。
レンタルサーバー | クラウドサービス | |
---|---|---|
料金 | サーバー単位 | ユーザー単位 |
セキュリティ | サーバーによってSSLが利用できない場合がある | 高い |
メール容量(1アドレス) | 1〜5GB程度 | 30〜50GB |
Webメール | 簡易的 | 機能充実 |
メールクライアント | 利用できる | 利用できる |
導入のしやすさ | 同程度のIT知識が必要 |
一番の違いはやはり、料金がサーバー単位で発生するか、ユーザー単位で発生するかの違いです。
つまり、レンタルサーバーの場合、サーバーを1台借りれば、メールアドレスをいくつ作っても料金は変わりません。メールアドレスがたくさん必要なケースではクラウドに比べて圧倒的に安く抑えることができます。
一方、クラウドサービスの場合は、1ユーザー(メールアドレス)あたりの料金となるので、利用ユーザーが多いケースでは料金がそれだけかかります。
なお、Google Workspaceの場合、ユーザー1人でメールアドレスを複数持ちたい場合は、追加料金無しでメールアドレスを増やす事ができます。詳細は、「無料でGoogle Workspaceのメールアドレスを増やす方法」をご覧ください。
また、レンタルサーバーによってはSSLが利用できない場合もあるので注意が必要です。SSLが利用できないということは、メールソフトを利用している場合、メールサーバーとメールソフト通信が暗号化されないので、公衆の無線LANなどでメールの内容が盗聴されるリスクがあります。
レンタルサーバーとクラウド業者比較
主要なレンタルサーバー業者とクラウドサービスの比較を行ってみました。
料金は税込みで年間契約した場合で比較しています。
レンタルサーバー | クラウドサービス | ||||
---|---|---|---|---|---|
Xサーバー X10 | コアサーバー CORE-A | ロリポップ スタンダード | Google Workspace for Work | Office365 Business Essentials | |
初期費用 | ¥3,240 | ¥0 | ¥1,620 | ¥0 | ¥0 |
月額料金 | ¥1,080 | ¥428 | ¥540 | ¥500 | ¥540 |
メール容量(1アドレス) | 5GB | 最大100GBまで設定可能 | 2GB | 30GB | 50GB |
メールアドレス数上限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
Webメール | オリジナル | オープンソース(SquirrelMailまたはRoundCube) | オリジナル | Gmail | Outlook on the web |
POP・SMTP SSL | ◯ | △ | ◯ | ◯ | ◯ |
スパムフィルタ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
ウィルス対策 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
※コアサーバーは、POPやSMTPにSSLが利用できませんが、WebメールであればSSLが利用できるため安全です。
レンタルサーバーのWebメールは最低限の機能しかなく簡易的です。おそらく、メールソフトを利用する方が多いからでしょう。一方、クラウドサービスについては、ブラウザで利用される事が前提なので機能が豊富で品質も高いです。
スパムフィルタやウィルス対策については、どれも備えているようですが、それぞれに性能の差はありそうです。こちらは将来的に詳しく調査したいと思いますが、私の使った限りでは、Gmailのスパムメールフィルタは群を抜いて素晴らしい性能です。
まとめ
通常のメール用途だけであれば、レンタルサーバーとクラウドサービスではそれほど性能差は無さそうです。
ただ、クラウドサービスの方は、サービス全体が様々なビジネスシーンに最適化されているため、仕事のためのツールとして選ばれるケースが多いと感じます。
とりいそぎWordpressとメールだけできればよくて、安く抑えたい!!という方は、まずはレンタルサーバーでも良いかと思います。その後、色々なシーンで不都合がでてきたり、業務を効率化したい面がでてくれば、クラウドサービスを選択しても良いでしょう。