Google Workspace

Google Workspaceに掲示板機能はあるのか?

Google Workspaceはいわゆる「グループウェア」です。古くからグループウェアには、必ずと言っていいほど「掲示板」という機能が存在しました。掲示板は、特定のテーマについてのディスカッション、会社からのお知らせ、ナレッジ共有など様々なケースで利用されてきました。

Google Workspaceには「掲示板」という機能はありません。しかし「グループ」や「Googleサイト」「Chat」「Spaces」など、Google Workspaceに付属するコミュニケーションツールを使って、掲示板と同等の事を行うことができます。

今回は、Google Workspaceの数あるコミュニケーションツールについて、どういう時に何を使えばいいのか、その用途を整理してみたいと思います。

コミュニケーションのパターン

コミュニケーションといっても、いろいろなパターンがある事に気づきます。少し整理してみましょう。今回は大きく3つのパターンに分けてみました。

まず、「1対多単一方向」パターン。これは社内のニュースやナレッジ共有など、不特定多数に情報周知するパターンです。既存のツールとしては、ブログやwiki、掲示板、メーリングリストがあります。

次に「1対1双方向」パターンは、通常の業務報告や質問、相談、議論など1対1で行うやり取りです。これには電話やメール、チャットが使われてきました。メールにCcをつける場合も主に伝えたい相手がToになるため、こちらのパターンにしています。

最後は「多対多双方向」パターンです。これは、ディスカッションやブレインストーミングなど、複数人によるやりとりです。これらはメーリングリストや掲示板がその役割を担ってきました。

パターン情報の向き用途既存のツール
1対多単一方向社内ポータルやニュース、ナレッジ共有など、一方的な情報周知。Webサイト、ブログ、wiki、掲示板、メーリングリスト
1対1双方向主に1対1のやりとり。一般的な業務の報告、質問や相談、議論など。電話、メール、チャット
多対多双方向複数人によるディスカッションやブレインストーミングなど。メーリングリスト、掲示板

この様に私たちは、コミュニケーションのパターンによって様々なツールを選択して使ってきました。

なお、TwitterやfacebookなどのSNSは、これら全てのパターンに利用できる万能ツールだと思います。しかし、Google+の廃止やCurrentsの終了(2023年にSpacesに移行)が物語っているように、SNSをグループウェアとして使おうとすると、その万能さが過ぎるがゆえにメールやチャットなどの既存ツールと棲み分けができず、利用者が活用方法を見いだせなくなるのではと私は考えています。

Google Workspaceのコミュニケーションツールの使い方

では、Google Workspaceでは、どの様な時にどのツールを使うのでしょうか?Googleは各ツールごとに明確な用途を明言していません。私なりに先程のパターンに当てはめてみました。

「1対多単一方向」は、GoogleサイトかGoogleグループを利用します。Googleサイトは情報の蓄積と閲覧・検索性が重要となるナレッジ共有などで利用すると良いでしょう。社内ポータルサイトとして利用されているところも多いでしょう。また、Googleグループはメーリングリストの側面を持っていますので、全社や部署ごとの単発の情報周知で利用すると良いと思います。

「1対1双方向」は、Gmail(メール)またはChatになるでしょう。履歴に残らなくてもいいようなちょっとしたやり取りはChatを利用し、それ以外はGmailを利用します。

「多対多双方向」はSpacesです。ディスカッションのテーマや、特定のグループでスペースを作って自由にコミュニケーションすることができます。コメントに対しては、👍などのアイコンで簡単に意思表示することもできます。

このパターンは、Googleグループでも可能ですが、Spacesがディスカッションのテーマごとにスペースを作成しやすいのに対して、Googleグループはあくまでも「人々の括り」ですので、テーマごとにグループは一般的に作成しません。Googleグループは最初のパターンのようにメーリングリストとして社内共有で利用されるとよいでしょう。

パターン情報の向き用途Google Workspace
のツール
1対多単一方向社内ポータルやニュース、ナレッジ共有など、一方的な情報周知。Googleサイト、Googleグループ
1対1双方向主に1対1のやりとり。一般的な業務の報告、質問や相談、議論など。Gmail、Chat
多対多双方向複数人によるディスカッションやブレインストーミングなど。Spaces

まとめ

このパターン分けであれば、GoogleサイトやSpacesが掲示板機能にあたりますがいかがでしょうか?

賛否はあるかもしれませんが、こうしてみるとGoogle Workspaceのコミュニケーションツールはうまく棲み分けできているのではないかと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。