こんにちは。
今回は、先日のNewsで発表された、Googleスプレッドシートの新機能「データ抽出」が私の環境でも利用できるようになったため、早速使ってみました!
「データ抽出」機能とは、Google Workspace上のドキュメントやカレンダー、ユーザーからメタデータ(名前や更新日付など)を抽出し、Googleスプレッドシート上にリスト表示できる機能です。
いまいちピンと来ない方もいらっしゃるかと思いますので、今回は色々な利用シーンを例にデータ抽出機能を紹介してきます。それではどうぞ!
利用シーン1:ドキュメント制作の進捗管理
最初の利用シーンは、あるプロジェクトで複数のドキュメントを制作することになり、あなたがプロジェクトマネージャーとして、進捗管理を行うシーンを考えてみましょう。
ドキュメントのリストを作成する
あなたは、制作するドキュメントと制作状況を把握する必要があります。まずは作成するドキュメントのリストを進捗管理用スプレッドシートに記載しましょう。
ドキュメントは「スマートチップ」として入力します。半角アットマーク(@)から続けてファイル名を入力すると、一致する候補が表示されますのでそれを選択します。
スマートチップでファイルを挿入すると、こんな感じのラベルで表示されます。
メタデータを抽出する
次に、管理したいこれらのファイルのメタデータを抽出します。
一番上のドキュメントスマートチップにマウスカーソルを合わせると、下記のようなポップアップウィンドウが表示され、ドキュメントのイメージが確認できます。
右下に「データ抽出」とあるので選択します。
すると、右に「データの抽出」パネルが表示されます。「抽出されるデータ」がメタデータです。今回は「最終更新者」と「最終更新日時」を把握したいのでそれらをチェックして「解凍」ボタンを押します。(ボタンの名前が変ですが)
確認のポップアップが表示されますので、「✔」を押します。
データが抽出されました!解りやすいように列タイトルを付けておくとよいでしょう。
データ抽出セルは =A2.[last modified by]
のように式で表現されています。下のセルにも適用したいため、通常のスプレッドシートと同様に、コピーしたいセルを選択し右下をつまんでドラッグしましょう。
同様に確認が表示されますので「✔」を押します。
式がコピーされ、各ドキュメントの「最終更新者」と「最終更新日時」が確認できるようになりました!
これで、制作に必要なドキュメントと「誰がいつドキュメントを更新したか」を把握できるようになりました。必要に応じて進捗率の列を追加し、各メンバーに入力してもらう事も可能です。
メタデータを最新化する
抽出されたデータはリアルタイムでは反映されないようです。データを最新化する場合は、データ抽出サイドパネルの「更新と管理」タブから「すべて更新」を押すことで最新化できます。
利用シーン2:セミナースケジュールの管理
それでは次のケースです。あなたは今回もプロジェクトマネージャーです。あるセミナーイベントを計画しており、セミナー日程の管理やチームへのスケジュールの共有を行います。
先程の例は「Googleドキュメント」に対してメタデータを抽出しましたが、今回は「Googleカレンダー」に対してメタデータを抽出します。
Googleカレンダーに予定を登録する
まずは、Googleカレンダーに予定を登録しましょう。今回はセミナーを3回行う想定です。Googleカレンダーの登録は通常どおりですので、手順は割愛させていただきます。
このような感じで予定を3つ作成しました。
予定のリストを作成する
では、セミナーの日程を管理するスプレッドシートを作成しましょう。
ドキュメントと同様に、Googleカレンダーの予定もスマートチップとして入力します。「@」の後に続けて、予定のタイトルを入力すると候補が表示されますので、選択すればOKです。
このような感じで、3つの予定をリストアップできました。とても簡単ですね。
メタデータを抽出する
では、予定のメタデータを抽出しましょう。方法はドキュメントと同様です。スマートチップにカーソルを合わせ「データ抽出」を押します。
今回は「説明」「開始日」「終了日」「主催者」「参加者」「場所」のメタデータを抽出してみましょう。
このような感じで抽出できました!
予定をリスト化することにより、Googleカレンダー上に点在しているイベント情報がスッキリと見通せるようになりました。
もちろん、ドキュメントと同様にデータ抽出パネルから情報を最新化することができますので、管理効率がぐっと向上します。
ユーザーのメタデータ抽出について
データ抽出機能は、上記のドキュメントとカレンダーの他に「ユーザー」についても抽出することができます。
抽出可能なメタデータは「メール」「名前」「場所」「電話番号」「役職」ですが、今回は良い利用ケースが想定できませんでした。
ユーザーを管理するにしても、ユーザーの自動増減には対応していないですし、組織内の特定のユーザーを監視するにしても項目が少なく、動きのある項目がありません。「最終ログイン日」とかあればまだ利用ケースもあると思います。
Google Workspaceには「Google Workspace管理ユーザー上の住所」「Googleアカウントの住所」「Googleアカウントのユーザー情報の場所」と3つもありますが、抽出できるユーザーデータの「場所」は、最後の「Googleアカウントのユーザー情報の場所」です。これはどこにも説明が無く、探すのに苦労しました。。。
高度な使い方
データ抽出したセルについても通常のセルの値として表示されていますので、スプレッドシートの集計やデータ検索が可能です。
以下は、直近で更新されたドキュメントを表示する例です。
最終更新日時の最大値に一致する行番号の制作ドキュメントセルを返します。
まとめ
今回は、Googleスプレッドシートの新機能「データ抽出」について、具体的な利用ケースを交えてご紹介しました。
特にプロジェクトのマネージャーなどの管理業務を行う方にとっては、色々な使い方ができそうな機能です。
ただ、まだまだ抽出できるデータが少ない印象です。例えば、ドキュメントには「最終ページ番号」「未解決コメント数」があれば、より詳細にドキュメントを追跡しやすくなると思います。
また、ユーザーについては、先に述べたように特に抽出可能な項目が少なく、今のところ良い利用シーンが思いつきませんでした。リリースされたばかりの機能ですので、今後の改善に期待したいと思います。
管理職の皆さん、Googleスプレッドシートの「データ抽出機能」をぜひ使って、管理業務効率化にチャレンジしてみてください。
それではまた。